0.はじめに

【アジェンダ】 ・1.マーケティングリサーチとは 　-マーケティング活動の中でのリサーチの立ち位置や、それぞれの手法がどのような使われ方をしているのか ・2.マーケティングリサーチを企画する 　-質問内容や調査票の作成の前に企画することが重要 ・3.調査票設計のポイントを理解する 　-注意点やコツ、気を付けるポイントを紹介 ・4.クロス集計を理解する 　-クロス集計の見方について

1.マーケティングリサーチとは

【マーケティングリサーチの役割】 ・消費者の声や情報を企業に届けること 【なぜ、リサーチが必要なのか？】 ・消費者の評価を参考に意思決定する事で、成功率が高くなる ・客観的な数値で議論できる ・思いがけない発見がある 【マーケティングリサーチの活用シーン】 ・機会の発見（課題・原因の特定）：使用実態調査、ニーズ探索調査、ブランドイメージ調査、セグメンテーション調査 ・コンセプト開発：コンセプトスクリーニング調査、コンセプトチェック調査、フルコンセプト調査、ネーミング評価調査 ・4Pの開発・策定：試作品評価調査、パッケージ・デザイン調査、広告クリエイティブ評価調査、価格調査 ・上市後の検証・改善：製品浸透度調査・顧客満足度調査（購入者追跡）・広告/プロモーション効果測定調査 【マーケティングリサーチの種類】 ・定量調査：一般的なアンケート調査 　-結果を数値化してパーセントで比較する分析方法。どこに差があるのか、どのくらい差があるのか、必ず比較するのがポイント。 ・定性調査：言葉を分析する調査 　-グループインタビューが代表格。インタビュアーが5～6名の対象者に座談会形式で、テーマについて意見を引き出していく。

2.マーケティングリサーチを企画する

【マーケティングリサーチの流れ(インターネット定量調査の場合）】 ・マーケティング課題の発見・整理：現状の課題を見極め整理をしていく ・リサーチ課題の明確化・仮説の構築：課題を解決するためには何が分かれば良いのか、マーケティングリサーチの実施可否、課題の整理・分解 ・調査企画の立案：調査会社の選定・調査手法・調査の規模 ・調査票の設計 ・調査画面作成 ・本調査実施・スクリーニング調査（スクリーニング調査は3～5問程度） ・データクリーニング ・単純集計・クロス集計（全体集計・ローデータ・集計ソフト） ・分析・報告書の作成 【マーケティング課題とリサーチ課題を整理する】 ・市場浸透度の低下：認知率、購入経験率、リピート率 ・購買力の低下：購入頻度、購入量、購入価格 ・購入意識や評価の変化：購入理由、満足度、競合評価 【調査企画書とは（リサーチをする為の情報）】 ・調査背景、調査目的、調査地域、調査対象者、調査手法、調査時期、調査項目、調査費用 【調査対象者の決め方】 ・地域、性別、年齢、職業、世帯or個人、商材に対する履歴など ・リサーチ結果を分析するためには比較対象が必要。数値を絶対評価ではなく、何かと比較し相対的に見ること

3.調査設計のポイントを理解する

【調査票の作成ステップ】 ・1.調査で知りたいこと（仮説）の洗い出しと調査項目への分解 ・2.調査項目の整理と絞り込み：経験年数・頻度・スコアのアベレージ等、客観的な数値で回答できる内容 ・3.調査項目の質問順序の決定 　-回答者が答えやすい（回答者の思考がスムーズに流れる事を意識する・日常生活での会話と同じと考える） 　-回答者にバイアスを与えない 　-重要な質問は先に 　-話題の変化を意識させる ・4.質問項目の回答形式の決定 　-単一回答（SA）：あてはまる選択肢を1つ選ぶ 　-複数回答（MA）：あてはまる選択肢をすべて選ぶ 　-制限回答（LA）：あらかじめ定めた数の選択肢を選ぶ（5つまでなど） 　-割合回答：選択肢の合計が100%になるように回答する 　-順位回答：選択肢の中から順位を付けて回答する 　-マトリクス回答：同じ選択肢で複数の項目を回答する 　-対マトリクス回答：対極の項目を設定し、どちらに近いかを単一回答する 　-自由回答（FA）：選択肢を提示しないで、自由に記載してもらう ・5.質問文・選択肢の作成、プリテストの実施 　-できるだけ簡潔に、誰もが理解できる言葉で、主語・述語・目的語・定義を明確に、論点を絞る。聞かれても答えられないものは聞かない、選択肢は論理的かつ網羅的に揃えて、バイアスを避ける

4.クロス集計を理解する

【マーケティングリサーチの結果データの見方】 ・何かと何かを比較すること、どこに差があるのか、どれくらい差があるのかをみていくことが重要。 　-単純集計：全体傾向（選択肢間の差を比較） 　-クロス集計：分析軸ごとの傾向（全体やクロス軸間の差を比較） 【クロス集計の用語・読み方】 ・ヨコ・タテ両方向から読み解くことができる ・表側（クロス軸、分析軸）：年代や性別など、属性や特徴を比較したい項目 ・表頭：調査票の選択肢が入っているイメージ

5.まとめ

【リサーチを始めるのに最も重要なのは、調査の背景と目的】 ・なぜリサーチをする必要があるのか ・リサーチで何を知りたいのか ・具体的なアウトプットイメージやゴールを決める