本セミナーと会社の紹介

【株式会社ネオマーケティング】 ・ネットリサーチ ・グループインタビュー ・会場調査（CLT） ・ホームユーステスト（HUT） ・その他調査 【マーケティング支援領域】 ・お客様のどのような課題でも、マーケティングプロセスを俯瞰したうえで最適な手法を提案・実行出来る体制を構築している。 【登壇者】 ・高倉 益実 　-2014年9月に自社オウンドメディアの立ち上げと同時にマーケティング部を新設 　-自社マーケティング体制の確立だけでなく、クライアントの外部マーケテイングパートナーとしてマーケティング戦略立案や教育の支援も担当 　-現在はデザイン思考とリサーチを組み合わせて、顧客の新商品開発・新規事業開発を支援する事業部の立ち上げを行い、事業責任者を務めている

定量調査と定性調査

【マーケティングリサーチを企画するとは？】 ・仮説検証型か問題・課題発見型のどちらかになる ・マーケティングリサーチの手法は大きく分けて「定量調査」と「定性調査」の2つ ・全てがそうだとは言い切れないが、【仮説検証型】が目的の時は「定量調査」、【問題・課題発見型】が目的の時は「定性調査」が適していると言われている 【定量調査】 ・形式：「アンケート」で、人数や％などの明確な「数値や量」＝「定量データ」で集計・分析する手法 ・特徴：客観性・代表性のある情報が把握でき、市場に近いデータを収集できる。単純な「数値」なので、全体の構造が把握しやすい。数字を使うので他人への説得力が増す。 ・必要なもの：アンケート票、アウトプット：量的データ（数値） ・目的：「何らかの実態」を明らかにするとき、必要な知識：統計学 【定性調査】 ・形式：インタビュー形式で、出席者の発言＝「定性データ」を分析する手法 ・特徴：本音の具体的な理由が生の声で聴ける。数量データでは現れてこない「隠れた心理」を把握できるため、新たな発見やヒントが得られる。仮説からずれてもその場で修正できる。 ・必要なもの：インタビューフロー アウトプット：質的データ（言動） ・目的：「何らかの理由」を明らかにするとき 必要な知識：心理学

定性調査について

【定性調査の種類】 ・グループインタビュー 　-司会者と調査対象者数人で行われる座談会形式の調査手法。司会者の質問に答えてもらうほか、対象者同士で議論をしてもらうなどの方法がある ・デプスインタビュー 　-1人の調査対象者に対して、インタビュア－がインタビューを行う調査手法。個別にインタビューを行うことにより、よりプライベートな内容や正直な意見など、より個々人の潜在的心理・感情等を掘り下げ、捉えることが可能 ・訪問調査 　-調査員が一軒一軒の家庭を訪問し、調査対象者に対し、実際の生活の中でインタビューをする調査手法。普段の生活を確認したり、実生活の中での製品の使い方やその使い方をする理由などを確認することができる 【定性調査の活用方法】 ・①テーマへの理解度アップ ・②コンセプトなどのチェック ・③理由・背景の深堀り ・④今ある仮説を検証したい場合 ・⑤仮説立案から始めたい場合

定性調査の流れと成功のポイント

【オフラインとオンラインの違い】 ・①インタビュー対象者の選択肢が広がる ・②普段の生活環境を意識したインタビューが出来る ・③対象者がリラックスして話す（本音が出やすい） ・④リクルートに優位性の部分がある ・⑤関係者のモニタリング負荷が軽減出来る 【定性調査の流れ】 ・①調査企画の設計 ・②参加者リクルート ・③モデレーター・書記手配 ・④実査 ・⑤納品

定性検査の企画設計時のポイント

【目的】 ・誰に：対象者条件：リクルーティング ・何を：明らかにしたいこと：アウトプット ・どうやって：質問項目：インタビューフロー

リクルートのポイント

【何人位集めたらいいか】 ・1案件につき最低3名とのインタビューを推奨している。この3名という数字は、ウェブサイトのユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンによる「ユーザビリティテストから得られる学び」の公式に基づいた数字になっている ・公式では5名のテストをすれば課題の約85％は発見、3名なら約60～70％は発見 ・1セグメントあたり最低3名、理想は5名を推奨 【定量調査いしか経験がない企業とお話しする時によく出てくる言葉】 ・「定性調査はサンプル数が少ないから、信用できるのか？使えるのか？」 ・「少ないサンプル数の調査で、今後の方向性を判断していいのか？」 【目的】 ・定性調査は数の理論で何かを検証するというのではなくターゲットとなる顧客の価値観やライフスタイルなどの【心理的共通項】を探る ・何人に何を聞いた？ではなく、「どんな人（条件・人物像）」に何を聞いた？がとても大事。要は回答者の“質”

モデレーター・書記手配のポイント

【インタビューフロー作成のポイント】 ・①5分：オープン 　-調査概要の説明やなぜ自分が選ばれたのかの理由。制約やルールの説明 ・②25分：ラポール形成 　-いきなり本題に入るのではなく、考え込む質問より事実を聞く質問を繰り返し、傾聴や相槌を通して回答意欲を高めてもらう ・③25分：本題 　-徐々に考えて答える質問のフェーズに入る。特に＜ニーズ＞と＜インサイト＞のフェーズを分けながら、心理的部分や言動の理由を探っていく ・④5分：クローズ 　-追加質問や最後に言い逃した意見・要望を聞き、お互いクールダウンしていく 【質問のポイント】 ・①クローズド・クエスチョン：Yes/Noで回答出来る質問 ・②オープン・クエスチョン：5w1Hでの質問 ・③事実をそのまま聞く：自分達と対象者の基準が違くてもありのまま受け取る ・④1つの質問には1つのことを聞く ・⑤話しのペースはインタビュアーが握る：話し好きな人だと時間が足りなくなる ・⑥フロー通りも大事だが深堀も意識：質問を繰り返す事で本音が見えてくる ・⑦「事実」と「意見」は区別する ・⑧対象者と自分を同一視しない：こういう人はこう考える、こう答えるは×

インタビュー当日のポイント

【何人くらいいたらいいか？】 ・参会者は多ければ多いほど良い ・インタビューは感覚や感性も対象にしているため聞き手が全員同じ受け取り方をするわけではないから ・インタビューは「ユーザーの理解」ではなく「ユーザー共感」がBESTでありMUST 【インタビュー参加の心得】 ・①気になる点は付箋やメモを取ろう ・②会話の流れを止めなければカットインしても全然OK ・③会話を楽しもう。なるべく笑顔で明るく。一見関係ない話にヒントがあるかも ・④目線や服装・背景も気にしましょう 【インタビューの仕方の心得】 ・意識の下層にある無意識は色々な意思決定に関わっていると理解する必要がある ・普段から意識していない事を聞かれても答えられない時は答えを回答者は作り上げることがある ・「なぜ？」を繰り返す、「なぜ？」という聞き方よりもストーリーやその時どんなことを考えていたのかを聞いた方が効果的な場合もある

調査後のポイント

【実査後のポイント】 ・デブリ（調査後の共有の場）が大事 　-通常の対面式インタビューの場合、「マーケティング・リサーチ用語辞典」によると定性調査のモデレーターによる非公式な口頭により書いてあり、終了後にモデレーターの主観まとめを聞くことが多い 　-オンラインインタビューの場合はモデレーターが対象者と同じ空間にいるわけではなくなり、参加者全員が同一条件のモニター越しとなるので、参加者一人一人の感じたことが重要となる 　 【まとめ方のポイント】 ・インタビューで得た対象者の「言葉」「表情」「動き」を質的データとして捉え、そこから【心理的共通項】や【無意識層】の部分を推論していくこと