① オープニング/登壇者挨拶

【Resilyの事業内容】 ・OKRをベースとしたクラウドサービスの開発・販売。OKR導入支援コンサルティングサービス 【スタイラーの事業内容】 ・ニューリテールプラットフォーム「FACY」の企画・開発・運用 ・デジタルメディア「FACY MEN」「FACY LADY」の企画・運用DXコンサルティング支援。アジアを中心とした海外でのビジネス支援 【登壇者紹介】 ・スタイラー株式会社　David Dikman氏 　-スウェーデン出身。2008年からエンジニアの仕事を経験。スタイラーではエンジニアチームとデザインチームのマネージメントやプロダクトマネージメントを担当 ・スタイラー株式会社渡邉　文佳氏 　-NTTデータグループの新会社に新卒第1期生として入社し、アウトソーシング事業の営業、運営、CRMコンサルティングとしてキャリアを形成。 　-その後、DeNAにてモバゲーコールセンターの運営、モバオク、DeNAショッピングのマーケ、ECコンサルトを経て2017年にスタイラーへ参加。HRを新設し、採用・人事制度設計、採用PRに従事 ・Resily株式会社取締役COO　西川　哲郎氏 　-大学卒業後、三井物産株式会社へ入社。海外子会社管理・金融事業に従事した後、外資系商社に転職。その後Resily株式会社に取締役として参画

② OKR基本解説

【グローバルに普及するOKR】 ・日本ではスタートアップを中心に導入が加速している ・大手企業によるOKR導入が始まった ・従来の「目標管理」には3つの要素が混在 【OKR(Objective&KeyResults(KR))とは】 ・OKRは「戦略」と「実行」をつなぐ羅針盤 ・Objective「目標」 　-意義・ゴールを示す定性的な目標、鼓舞するような野心的・ワクワクする文言、四半期での達成を推奨 ・KR「主要な結果」 　-Objective達成を測る定量的・客観的な成果、タスクではない、数を絞る（3-5個を推奨）、コミットメント（必達）orストレッチ 【CFR-継続的パフォーマンス管理】 ・CFRはOKRと双子の概念、CFR無きOKRは形骸化している ・対話(Conversion)：パフォーマンス向上を目的に、マネージャーとメンバーの間で行われる真摯で深見のある意見交換 ・フィードバック(Feedback)：プロセスを評価し未来の改善に繋げるための同僚との双方向あるいはネットワーク型のコミュニケーション ・称賛(Recognition)：大小さまざまな貢献に対して、個人を称賛し感謝を伝えること

③ スタイラー開発の歴史とOKR【スタイラー株式会社 渡邉 文佳氏】

【スタイラーについて】 ・FACYのサービス：プラットフォーマーでユーザーとショップを結ぶサービス 　-街中にあるセレクトショップやブランド店舗をアグリゲーションして、アプリ上に表示させている。気に入ったアイテムを見つけて商品を購入することができる ・ECと異なる点 　-実店舗の在庫を扱っているサービスで、実店舗在庫と連動している。 　-ショップ店員と直接チャットで繋がって欲しい商品について質問することができる 　-実店舗送客に力を入れている為、オフラインに送客するところに力を入れている 　-将来的にユーザーが指定した場所で受け取ったり、ユーザーの利便性を追求したサービスにしていく予定 【OKR導入とプロダクト開発の歴史】 ・2015年：STYLER設立→2017年：夏に他社人事評価ツール導入、10月にResilyに切り替え。ベトナムオフショア+国内体制→2018年8月：内製化に切り替え→2019年：完全内製化→2020年：10月にFACYリニューアル→2021年4月：FACY本リリース 【OKRというフレームワークの大切さ】 ・3ヶ月ごとにOKRを設定する度にOKRのコンセプトに立ち戻る ・修正や検討を重ねることが組織開発に繋がる ・議論がレベルUPし事業計画もブラッシュアップされる ・OKRができる・できないではなく、そこに近づけようとすることが重要

④ OKRを具体的な観点から（運用の難しかった点・良かった点）【スタイラー株式会社 David Dikman氏】

【OKRの選び方：学んだポイント】 ・KRの数を少なくする：目標が多すぎると注意力が散漫になり、達成するために必要な時間よりも管理する時間がかかる ・戦略的な目標：大切なことが優先実行とは限らない ・KPIを忘れない：いくつかのOKRを選んだとしても他のKPIを追跡することを忘れてはならない 【OKRの選び方：目標の数字】 ・ビジネスに対して大事な数字を選ぶ 【OKRの運用：プラン】 ・プランを必ず持つ：計画がなければその目標が達成可能かどうか分からない 【OKRの運用：フィードバックループ】 ・週1回、OKRを更新して共有して話し合う 　-人はフィードバックに基づいて行動する。フィードバックシステムがなければOKRを忘れてしまう 　-フィードバックループがあればOKRの進捗状況を見て疑問をもつ。疑問に答えることで責任感が生まれてくる。責任感からアクションが生まれ、アクションから結果が生まれる 【OKRが適さないこと】 ・組織図：組織図をOKRに当てはめない ・個人評価：個人目標はチーム目標を邪魔する

⑤OKRを具体的な観点から（上手くいった点）

【繋がり】 ・上位目標からプロダクトの影響が見えてくる 　-OKRを使うことで私たちの行動やプロジェクトが、会社全体のビジネスと関連しているかを各チームメンバーに示すことができた 【優先順位付け】 ・各プロジェクトはOKRにどのようにつながるか？ 　-進行中のプロジェクトを目標に結びつけるようになり、それによって優先順位を決めやすくなった 【プランニング】 ・KRからアクションプランを書き出す 　-各KRはアクションプランを導入した。KRを達成するための行動はアクションプランによって管理されている。こうすることでKRが達成するまでのプランを定期的に更新することができた 【結論】 ・ミニマムで基本を導入する：会社のトップからOKRを導入し、稼働することにより、会社全体に広がっていく ・目標に到達することはOKRより大事：チーム全体が会社の目標を理解し、そこからフレームワークを導入する ・全員が同じ方向を向く：OKRを導入することが一番大事な目的だと考えている

⑥ パネルディスカッション【スタイラー×Resily】

【事前にいただいた質問】 ・OKRの目標設定は3ヶ月単位でしょうか？その場合、年間OKRや3年OKRといったものも設定されるのでしょうか？ 　-事業計画は中長期的な計画も立てられているが、OKRに関しては三ヶ月単位で設定はしている 　-OKRは短期間で目標設定をして、短いスパンで絶対に達成すると思いながらやるものなので短いスパンでやった方が運用しやすい 　-スタートアップ企業だとやっていることが変わることがあるので、あまり中長期的な事を立てると崩れてしまう時もあるので、短いスパンでコンスタントに達成を目指すというやり方で今は進めている ・開発組織OKRの目標設定での上手なストレッチ方法を知りたいです。 　-プロダクトのKPI、事業のダイレクトに繋がる数値をOKRとして設定。そこのストレッチの仕方は今ある数字に対して上乗せしていく ・OKRの設定にどのくらい時間をかけていますか？組織OKRの決定から個人OKRの決定までにどのくらいかかるのか知りたいです。 　-個人OKRは設定していない。部署OKR設定はやり方を繰り返していく中でポイントをそれぞれ理解してくるので議論で何を話し合ったらいいのか分かってくるので濃いOKRを短い期間で立てられるようになった

⑦OKRの設計プロセス・評価に関するご質問

【質疑応答】 ・OKRの具体的な設計プロセスをご教示いただきたいです。どの順番でタタキを作るのか、どういう会議やすり合わせを経由するかなどです。 　-最初はカンパニー目標を立てる。チーム単位で考えるというより、マネージャーとCEOが一体となってどういう風な目標を設定するかを考えてから形にする。それぞれの考えたタタキをResilyに登録する 　-登録したらマネージャーとCEOで集まって本当に関連性があるかどうか、修正すべきところがあるのかとか、矛盾点はないかなどを見直す ・個人の評価とOKRは切り離すということでしたが、個人の評価はどのように行われているかを教えていただきたい 　-OKR達成に向けて個人もそれぞれ色々とアクションをとっていくので完全に切り離すことはできないと思っている。最終的にはOKRのどういう取り組みをしたという所に関しては評価の中には含めている 　-注意する点はOKRの達成率が個人評価とイコールにならない ・評価制度はどのようなものを導入されていますか 　-1on1を重視している。普段のコミュニケーションを重視している ・初期はKRの多くがタスクになっていたとの事ですが、現状タスク的なKRは一切無くなったか？一部にはタスク的なKRが残っているか？ 　-現状はタスク的なKRはなくなった。プロダクト目標に全てが紐づいている。タスク管理をしながらアクションに落とし込んで達成する

⑧OKRの事例に関するご質問

【質疑応答】 ・OKRを公開している企業で「これは刺さるわ。アライメントがしっかりしているわ」とお感じになったOKR事例をご紹介いただきたいです 　-対話を重要視している。例えば上位のマネージャーが各チームでOKRを作ってみてくださいという話しがあった際、下から出てきたOKRに対して、なぜ今そのOKRなのかを何回もやり取りをする 　-会社のビジョン・ミッションと会社のトップのOKRとどういう関連があるのかを徹底的に早いスピードですり合わせする。徹底的なアライメントを取っている。