オープニング

【登壇者】 Resily株式会社　COO 西川　哲郎

OKRと人事評価は切り離すべきか？／Resilyについて

【人事評価の基本を守りながら、OKRを人事評価に組み入れることは可能】 ・ただし闇雲にOKRを設定し人事評価を組み込むと以下のような弊害が生じるかもしれない 　-目標を「低い水準」に設定する 　-「パニックゾーン」に陥り、パフォーマンスが上がらない 　-「どうせ達成できない」というマインドになり、モチベーションが下がる ・かつ、評価制度は事業フェーズにより異なるべきで、常に変化し続けるべきもの 【会社概要】 ・社名　Resily株式会社 ・設立　2017年8月 ・資本金　1億円 ・投資家　dnxventures　salesforceventures ・事業内容 　-OKRをベースとしたクラウドサービスの開発・販売 　-OKR導入支援コンサルティングサービス ・住所　〒101-0051　東京都千代田区神田神保町3-12-3神保町スリービル8F 【経営陣・アドバイザー】 堀江　真弘　代表取締役CEO 西川　哲郎　取締役COO 西方　聖一　取締役CTO 及川　卓也　アドバイザー

「OKRと人事評価」基本的な考え方

【従来の「目標管理」には3つの要素が混在】 ・①目標設定（OKR） ・②評価制度 ・③目標進捗（CFR）

目標管理の歴史

【よりアジャイルに、より対話を重んじたマネジメントにシフト】 ・ハード（製造業）の時代 　-1954　MBO/KPI　ピーター・ドラッカー 　-1979　OKR（iMBO)　アンディ・グローブ 　-1992　バランスト・スコアカード（BSC）　ロバート・キャプラン/デビッドノートン ・ソフト（IT）の時代 　-1999　グーグル社OKR採用　ジョン・ドーア ・VUCA（不確実性）の時代 　-2012　継続的パフォーマンス管理/NoRating 米アドビ社 　-2018　Measure What Matters　ジョン・ドーア ・現在 -コロナ渦・リモートワーク　OKR導入が加速

OKRとは

【OKRは「戦略」と「実行」をつなぐ羅針盤】 ・OKR＝Objective＆KeyResults（KR） ・Objective「目標」 　-意義・ゴールを示す定性的な目標 　-鼓舞するような野心的・ワクワクする文言 　-四半期での達成を推奨 ・KR「主要な結果」 　-Objective達成を測る定量的・客観的な成果 　-タスクではない 　- 数を絞る（3-5個を推奨） 　-コミットメント（必達）orストレッチ

CFR（継続的パフォーマンス管理）

【CFRはOKRと双子の概念、CFR無きOKRは形骸化】 ・対話 　-パフォーマンス向上を目的に、マネージャーとメンバーの間で行われる真摯で深みのある意見交換 ・フィードバック 　-プロセスを評価し未来の改善に繋げるための、同僚との双方向あるいはネットワーク型のコミュニケーション ・称賛 　-大小さまざまな貢献に対して、個人を称賛し感謝を伝えること

目標管理と報酬決定、OKR人事評価の要諦、評価制度の考え方

【目標管理と報酬決定は、そもそも異なる枠組み。共通項は評価制度】 ・目標管理の三本柱 　-目標設定（OKR) 　-評価制度 　-目標進捗（CFR） ・報酬決定の三本柱 　-等級制度 　-評価制度 　-報酬制度 どのような観点を評価材料にするか＝企業のカルチャー次第 【OKRは人事評価の要諦】 ・いかに目標進捗（CFR)の材料を評価制度に組み入れるか -多くの場合、目標進捗は後手にまわりがち -評価材料として認識されず、管理・記録されない -目標進捗は評価材料にはならず、わかりやすい数値成果（MBO)、情意評価、直近バイアスでの評価になりがち 【評価制度の考え方】 ・各社により評価の観点は異なり、会社のカルチャーが如実に表れる

OKRと評価制度の整理

【人事評価では「総合的・多方面に評価すること」が納得度形成の大きな要素】 ・評価対象の整理 　-何を評価対象とするか「組織からの期待」と整合した説明責任を果たす 　-難易度の違い（ムーンショット/ルーフショット）をどう織り込むか 　-OKR達成に対するチャレンジを評価するか（プロセス評価） ・OKRとOKR外の業務活動を整理 　-OKR外の成果や取り組み、役割、貢献をどう織り込むか ・「成果とは何か」の定義や説明責任が果たせるかを考慮 　-業績への貢献 　-事業価値の向上に寄与する取り組み 　-ノウハウを提供し、影響が及ぶ範囲の目標達成への貢献 ※成果（ＯＫＲ到達率）は30％以下が推奨。サンドバッギング、過剰反応の回避のため。

報酬制度の考え方

【各社により評価のポイントは異なり、会社のカルチャーが如実に表れる】 ・OKRを人事評価に組み入れるには 　-まずは自社の評価観点を整理する。事業フェーズやカルチャーにより各社それぞれ異なる -OKR成果（数値結果）の算入は全体の30％以下を推奨。ただし、算入する場合は数値結果をそのまま評価点にするのではなく、目標の高さも考慮できる設計が求められる。 ・OKRだけではなくCFR情報も評価材料に算入する。

各社事例【Sansan、ユーザーベース、大手企業】

【OKR達成の貢献度を評価「Achievement360度評価制度」】 ・2015年からOKR実施（それまではMBO） ・OKRは100％達成を前提 ・個人OKRなし ・Achievement360度評価制度 　-「上司が適正に評価してくれない不満」を低減させる評価制度 　　1.全役員・社員が、OKRに対する貢献（Achievement）を記入 　　2.その貢献を知っている同僚（評価者）を3-5名選定（他部門のメンバー・マネージャーも可） 　　3.同僚（評価者）には複数のAchievementが集まる。それらを「事業貢献インパクト」の大きい順に並べ替え。 　　4.上司による絶対評価：上記の同僚評価を参考にし、上司が部下の各Achievementを採点（上司評価） 　　5.最終評価：同僚評価と上司評価を約半々としてTotal Achievement Scoreを算出 　　6.処遇反映：TASをもとに昇降給案を策定、人事評価委員会でキャリブレーション、処遇決定 　　7.TASのフィードバック：同じグレードの平均スコアとともに、被評価者にフィードバック 【ユーザーベースの評価制度】 ・OKRは「自分の仕事と会社のビジョン」をつなげるもの。人事評価とはゆるく結合 　 -GS/FB制度：個人成長を支援する人事評価制度 　 -各等級はコンピテンシーによって定義 【大手企業の事例（部門導入）】 ・従来のMBO年次評価を四半期ごとのOKR評価に 　-MBO年次評価から四半期OKR評価×4に変更

Resilyについて【デモ紹介あり】

【目標設定・パフォーマンス管理の一元化により、行動データ（評価材料）を収集可能に】 ・シームレスな評価プロセス構築の突破口を提供します。 ・まもなくCFR支援の大型機能追加を予定。

質疑応答

・書籍に『「達成できなかったけれどすごい創意工夫での成果が生まれた」「それが組織に大きく貢献した」ということを事実ベースで評価して、人事評価に反映する。』とありましたが、OKRの評価を人事評価へ緩く紐づける方法をもう少し具体的に教えていただけないでしょうか。 　-会社のカルチャーや事業フェーズに鑑みてどこに重きを持つべきかの視点だと思います ・ツール上で四半期ごとのごとのOKR評価を蓄積していくとのことでしたが、年次の本評価の際には決まった形式（CSVなど）でダウンロードできるのでしょうか？また、ツール上で共通の評価フォーマットに入力させることは可能でしょうか？ 　-今はできませんがある一定のフォーマットでダウンロードできる形で提供する予定 　-共通評価フォーマットに近しい機能は順次実装していく ・通常業務とは別軸のOKRを設定した際に各社員が自律的にOKR達成のために取り組む工夫があればご教示頂きたいです。 　-OKRを組織に浸透させるために、トップの意思が組織に浸透されるためのコミュニケーションがとれているか。OKRを評価する評価制度を実施する。