00：アトリビュージョン分析の概要

・通常の効果測定では、動画広告やリスティング広告など複数ある広告のうち最後にクリックされたリタゲーティングの部分のみがCV(コンバージョン)として評価される ・一方でアトリビューション分析では、接触した全てのメディア・広告に1のCVを割り振ってくれる ・アトリビューション分析を活用する際のポイントは大きく分けて以下の2つある。 　-1.ミスジャッジをなくすことが可能→最後にクリックされたCVにだけ予算を割くことを回避出来る 　-2.効率的な予算配分が出来れば理想的である→アトリビューション分析によって他のメディアへのコストを最適化できる

01：アトリビューション分析を行う意味

・分析とは何のために行うのか？→現状を把握し効果改善に向けて仮説・検証を行うため ・分析を素早く簡略化することで仮説・検証を行うための時間を作ることが重要 ・そのためには分析のシンプル化がポイントとなる。 ・「レポートフォーマットを確定させて、毎回同じフォーマット形式で分析を行う。」「毎1回など決まったタイミングで分析を定期タスク化する」「定点観測」の3つを意識することで数値の違いに気が付くことができる ・これらのポイントは普段その他の広告の運用を行う時と同じ方法論ともいえる ・分析のシンプル化のイメージ→アトリビューション分析には「モデル」というものがあり、モデルごとに数字を比較するがその際CVをCPAに変換するとわかりやすい

02：様々な評価モデルの解説

・モデルは大きくわけて4つある 　-終点モデル：最後のタッチポイントを成果の要因とする、ラストクリックモデルともいう 　-起点モデル：最初のタッチポイントを成果の要因とする 　-接点モデル：最初・途中・最後のタッチポイントの重みを変えて成果の要因とする 　-線形モデル：すべてのタッチポイントを均等に成果の要因とする、均等モデルともいう ・後からモデルを変更することも可能であるが、戦略の段階でイメージしていくとより円滑にアトリビューション分析を活用できる ・線形(均等)モデルのイメージと追加資料の紹介 ・評価モデルの各長所と短所を理解し、目的・状況別で分析モデルを選んでいくことが重要 ・認知・刈取施策両方実施している場合獲得数を最大化できる接点モデルが最適であるが、間接効果が過小評価される可能性もある。また、検討期間が短い商材(検討期間14日以内)がより良いといえる ・検討期間が長い商材(検討期間14日以上)の場合、全検索結果を均等に評価できる均等モデルが最適であるが、弱みとしては初回やラストに偏ったチャネルの評価が低くなる恐れがある点が挙げられる ・とにかくCPAが悪く足元を改善したい場合は終点モデルが最適である。CV効率が悪い直接的な要因をみることで素早く短期的な判断が可能という長所があり、一方で長い目で見た時CV数が減少する恐れがあるという短所をもつ ・ブランド認知を目的とした施策を評価したい場合は起点モデルが最適であるが、この場合足元の改善には繋がらない。

03：どのように運用したら良いのか

・まずはコスト配分を毎月変更するというアクションを起こすことが重要 ・ケーススタディ：9月予算が-100万円になった場合の予算配分案は？→接点モデルを活用して直接のCPAとは違う運用を用いて最適化していく ・事例①：金融系企業の広告データから→接点モデルのアトリビュート分析を行いAdnetwork-Yを強化し全体のCV数を拡大(115%増)、目標を達成した ・事例②：アパレル系企業から→線形モデルのアトリビュート分析を行い配信を抑制していたリスティングを再強化し、前年度を大幅に上回るCV数(1.5倍)を獲得 ・アトリビュート分析は基本的に継続的に繰り返し実施していくことが非常に重要であるため、月次など一定間隔で分析とコスト配分の検討を行っていく ・事例②の企業では「detorama」を活用しBIツールによるリアルタイムレポート体制を構築している

04:まとめ:アトリビュート分析との向き合い方

・最後にクリックしたCVだけ囚われない指標の確立→最後のCVにだけ目を向けるのは危険である ・できるだけ分析に時間をかけないことが重要である ・分析モデルを商材の傾向や課題に合わせて使い分ける ・上記3点を意識することで目的に合ったアトリビュート分析が可能である

05：最後に:おえておくべき広告運用のポイント

・アトリビュート分析を行う前提としてしっかりと広告運用ができている必要がある ・広告運用の正しい設定ができていないと正確な分析ができない ・Google検索の場合重要な7つのポイント→「1キャンペーンあたりのCVデータを蓄積」「アカウント構成」「ターゲティング戦略」「広告文の最適化」「キーワードとマッチタイプ戦略」「品質スコアの最適化」「運用指導の活用」 ・広告表示オプションを設定したことでCTRが2.1%向上、CPCが-44円低下した ・ディスプレイ広告において重要な6つのポイント 　-「キャンペーンあたりのCVデータの蓄積と入札戦略」 　-「アカウント構成」 　-「ターゲティング戦略」 　-「バナーサイズの最適化」 　-「プレイスメント除外の徹底」 　-「GDN スマートディスプレイキャンペーンの導入」 ・Facebookl広告を運用するうえで重要な8つのポイント ・しっかりとしたアカウント構成とクリエイティブのPDCを回していくことが大事 　-「1広告セットあたりのCVデータ蓄積」 　-「アカウント構成」 　-「ターゲティング戦略」 　-「配置面の最適化」 　-「クリエイティブの最適化」 　-「計測設定」 　-「アトリビューションを加味した運用」 　-「運用指標の活用」 ・メディアのポテンシャルを最大限に活かしてアトリビュート分析を行うことで、より効率よく運用していくことができる