1.自己紹介

【自己紹介】 ・秋山　薫平（あきやま　くんぺい）：株式会社メンバーズ　データアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部　デジタルクリエイター2Ｇ　データサイエンティスト 　-大学、大学院：位置情報データ、企業データ、病院データなどを用いた実証研究を行う 　-以前：大手通信会社と大手自動車メーカー子会社に常駐し、CX向上のためのNPS分析業務やMaaS領域グロースのためのデータ分析業務などを経験 　-現在：大手自動車メーカー子会社に常駐し、機械学習やルーティングアルゴリズム分析、GISを活用した解析業務、MaaS領域の試験研究などに従事

2.案件概要

【大手通信会社におけるCX向上のためのNPS分析】 ・特徴 　-既存事業における課題把握、改善のための分析、NPS、LTV、解約率といった既存のKPIを活用、様々なプロダクトが存在し、プロダクトの組み合わせバリエーションも豊富 ・自分の役割 　-事業課題把握、分析設計・仮説立案、データ前処理、結果報告・示唆出し ・分析業務内容 　-経済圏循環促進のためのNPS分析、NPS向上のためのサービス課題分析 ・主要データ：NPS、顧客性質、製品性質、広告キャンペーンなど 【大手自動車メーカー子会社におけるMaaS領域グロースのための分析】 ・特徴 　-新規事業、試験研究フェーズでの分析業務、データ取得設計の段階からプロジェクト参画、KPIの定義式を自ら作成し活用 ・自分の役割 　-検証計画立案、プロジェクトマネジメント、仮説・分析手法の提言、結果報告・示唆出し、要員の要件整理 ・業務内容 　-オンデマンドバスルーティングアルゴリズム分析、配送業務負担軽減のための機械学習モデリング、車載デバイスによるデータ取得と感情解析を用いたユーザー分析など ・使用データ 　-緯度経度、バイタルデータ、車両環境データなど

3.目次

【3つの項目】 ・1.事前リサーチと事業理解の重要性 ・2.KPI設計と活用方法とは ・3.大手グループCX改善と新規事業DXでデータ活用する上での共通項

4.事前リサーチと事業理解の重要性

【イントロダクション】 ・質の低いインプットデータとは 　-そもそもデータ収集・蓄積が（正確に）されていない 　-仮説が練られておらず、場当たり的にインプットデータを選択 【事前リサーチと事業理解の重要性】 ・なぜ場当たり的にインプットデータを選択してしまうのか？ 　-仮説が練れていない ・なぜ仮説が練れていないのか？ 　-分析目的が不明確 ・なぜ分析目的が不明確なのか？ 　-事前リサーチや事業理解が不十分 【CX向上のためのNPS分析においてリサーチしたこと】 ・リサーチしたこと：現状課題、各プロダクト理解（UXなど）、プロダクト間の相互依存関係、競合他社とのプロダクト比較、顧客行動 ・分析フレームワーク：4C分析、プロダクトポートフォリオマネジメント（PPM） 【MaaS領域グロースのための分析にてリサーチしたこと】 ・リサーチしたこと：現状課題、将来構想、学術的知見、想定ユーザーの理解 ・分析フレームワーク：3C分析、SWOT分析

5.KPI設計と活用方法とは

【既存KPIを活用し、KPI設計をする】 ・1.事業理解と分析目的の共通認識の形成 ・2.部署の取得データと指標整理 ・3.KGI（達成したい目標）を設定 ・4.KPI（KGI達成度の評価指標）を設定し、KPIツリーを作成 【CX向上のためのNPS分析】 ・KPIツリーに基づき、KPIをダッシュボードで定点観測（主に月次） ・自社ブランドと競合他社ブランドのUI・UX改善やキャンペーンタイミングなどを参考に、KPI変化の紐解き ・深堀分析（クロス集計、検定、回帰分析） 　-成果：キャンペーン訴求ポイントの見直し、UX見直しの判断材料提供、プロダクトの組み合わせ方に対する示唆 【KPI設計の流れ（新規KPI定義）】 ・KPIを新しく定義し、KPI設計をする 　-分析目的の共通認識を形成、取得データ整理、先行研究調査、KPI定義式作成、指標算出、KPI定義に関して評価 【MaaS領域グロースのための分析】 ・分析対象：オンデマンドバスルーティングアルゴリズム ・定義したKPI：相乗り率、連れ回し時間など 　-成果：ルーティングアルゴリズム評価指標を新たに定義、アルゴリズムのパフォーマンス値把握・比較、今後の開発指針への示唆

6.大手グループCX改善と新規事業DXでデータ利活用する上での共通点

【事前リサーチや事業理解する上で大事なこと】 ・経営視点をもつこと 　-事業理解のためのフレームワークを取捨選択できる ・ロジカルシンキング 　-仮説や分析視点の洗い出しを論理的に構築することができる ・仮説思考 　-洗い出しのバリエーションが増える ・ユーザー目線 　-プロダクト、サービスの改善施策提案の実現可能性が向上 【質疑応答】 ・Q.いつも「課題を見つけてから数値の分析に入る」という流れが多いです。分析やAIからオートで課題を炙り出す方法がないか特に気になります。 　-A.分析やAIからのオートで課題を炙り出すのは、難易度が高い。課題を明確化する段階では、人の頭が必要。リソースが足りないなら優先度をつけて、どの課題から着手するか切り分ける必要がある。 ・Q.宿泊業においてのデータの活用法、企画へつなげるデータの読み方などを知りたいです。 　-A.まず何を分析したいのか目的を明確化すること。事前リサーチや事業理解を深めて、何を検証したいのか分析目的を明確化して仮説をいくつも立てるのがよい。