本セミナーの紹介

【スピーカー紹介①】 ・アカウントプランニングチーム 小谷 哲也 　-幅広い業界業種のクライアントで、デジタルコミュニケーション/ソーシャルキャンペーンの戦略設計・プランニング〜エグゼキューションまで従事。 　-近年はSNSにおいて、ソーシャルトライブを起点としたエンゲージメントコミュニケーション/大型キャンペーンの設計を多数実施 【スピーカー紹介②】 ・Social Date Lab.ストラテジックプランナー 岡本 悟 　-スパイスボックス独自のSNSデータを活用したSNSアカウント運用・オフライン統合施策施策・新規事業立案等を目的としたプロジェクトにおけるデータ活用・戦略に参画 　-現在はナショナルクライアントを中心に各SNSプラットフォームを横断したデータ活用・分析手法の開発、ソーシャルビッグデータ分析に基づくコミュニケーション設計などを行う 【spiceboxについて】 ・SNS時代を生きる生活者を理解し、共感を生むコミュニケーションをつくる ・ソーシャルプロファイリングの特許を持つAIQ社と2020年3月に資本業務提携。両社の技術・知見に有効活用する商品の共同開発を開始

Z世代のSNS利用の実態

【Z世代：1996-2015年生まれ】 ・スマホやSNSを当たり前に使いこなすデジタルネイティブ。インターネットを介して自分の考えを発信したり、人脈を広げたり、他の世代にはないインターネット・SNSの使い方をする ・Z世代はマルチスクリーン/マルチタスクで情報接触をする ・グループごとに、別の自分を演じ分けるZ世代。コンテンツをフックに様々なコミュニティ（トライブ）に所属 ・SNSを通じてブランドを見つけたり、買い物をする。ブランドの思想や社会的影響を考え、ストーリーでブランドを選ぶ（＝共感購入する）時代。SNSで見つかるためには、生活者に語られ、そのストーリーも重要 【Instagram】 ・“クチコミ・ウィンドウショッピング”が最も行われるプラットフォーム ・一般的な利用者の使い方：まずはStoriesを閲覧⇒ホーム画面で閲覧・検索画面で閲覧⇒気に入った投稿を保存⇒後に比較検討されて高確率で購入される 【SNS時代の購買行動ジャーニー】 ・クチコミを検索しながら、自らを高揚させ、有益な情報をストックする。最終的に“本当に買うか”を決断するために、再度クチコミを確認する 【まとめ】 ・生活者・顧客のSNS上での価値観・ライフスタイルを理解することは購買インサイトの把握につながる。このポイントを理解することがこれからの戦略につながる

SNS投稿データからZ世代トライブを解析

【ソーシャルトライブとは？】 ・SNS上に存在する共通した価値観・嗜好性を持つユーザー群 ・なぜスパイスボックスはSNSユーザーを“トライブ”として捉えるのか？ 　-リアルな“ユーザー発信・情報収集傾向”を発見と“ユーザーの発信・情報収集傾向”の定量化の両立が行えるため 【Z世代Instagramユーザーのソーシャルトライブ分析】 ・ネット発マスカルチャー追いかけ関心トライブ 　-AbemaTVやネット発番組でのブレイクタレントをフォローして“ブームの予兆”を追いかけるトライブ ・等身大ライバーファンコミュニティトライブ 　-TikTok・YouTubeなどのブレイクインフルエンサーをフォローするトライブ ・“インスタ映え盛りテク・スポット”捜索トライブ 　-友人とともにInstagramで盛れるテクニックやスポットをフォロー・情報収集するトライブ ・“ユーズド＆ストリートコーデ”発信トライブ 　-古着やジェンダーレスファッション的価値観を体現するインフルエンサーをフォローするトライブ ・同世代アーティスト・クリエイターカルチャートライブ 　-同世代の独自の世界観を持つアーティスト・クリエイターをフォローし、憧れを持つトライブ

Z世代トライブに支持されるインフルエンサー

【ターゲットに支持されているインフルエンサーの発見手法】 ・各トライブに分類されたユーザーが実際にフォローしているインフルエンサーを発見する 　-各トライブのユーザーと“実際に繋がっている”影響力の高いヒト・メディアが発見可能⇒メディアプランニング/キャスティング等具体施策に、シームレスな活用が可能 【よくあるインフルエンサーマーケティングの課題感】 ・“フォロワー単価”をベースに、キャスティング費が設定されるため、いかに“自社のターゲットにリーチできるヒト”をキャスティングできるかが重要な課題 　-インフルエンサーのフォロワーが本当に自社のターゲットなのかわからない 　-インフルエンサーの投稿に反応しているアクティブなファンが自社のターゲットかわからない 　-ターゲットトライブが、実際にフォローしているヒトをキャスティングすることで、リーチ効率を最大化 【まとめ】 ・トライブごとに最適なインフルエンサーを活用することがターゲットリーチの最大化につながる

おすすめトライアル方法と効果検証

【インフルエンサー施策をトライアルする際に重要なポイント】 ・①ターゲットトライブを絞り込む、②しっかりと効果検証をする 【ターゲットトライブ選定時の視点】 ・①トライブの市場規模（ユーザーボリューム）は？②トライブ内の競合のシェアは？③トライブと商品・ブランドの親和性は？④トライブに有力なインフルエンサーは存在するか？ 【ターゲットトライブを絞り込むメリット】 ・インフルエンサーマーケティングにおいて“重複リーチ”は実はかなり効果的。トライブを絞ることで“重複リーチ”が生まれやすい構造ができる 【重複リーチ効果の検証】 ・認知は重複1回からでも伸張しているのに対して購入意向は重複10回程度からスコアが伸張した 【効果検証の課題】 ・インフルエンサー（アンバサダー）施策はSNS広告やSNSキャンペーンなどと比べて定量的にわかりやすい効果計測が難しい。施策の評価として過大評価・過小評価されてしまうことが多い 【具体的な手法】 ・パネル調査ベースで、インフルエンサーのフォロワーが実際に態度変容したかどうかを検証していく

まとめ

【4つのポイント】 ・SNSの普及、価値観の多様化によりZ世代へアプローチする場合にも、SNS（インフルエンサー）活用は重要な施策の1つになる ・Z世代のSNS利用実態に基づき「ソーシャルトライブ」を可視化することが、より解像度を高くターゲットを捉えることができる ・「ソーシャルトライブ」ごとに有効なインフルエンサーが存在しておりデータに基づいたインフルエンサーの発見・活用が可能 ・インフルエンサー施策のトライアル時には、トライブの選定と効果検証をしっかりとすることが重要になる

質疑応答

・今回トライブ紹介いただいた中でトライブのかぶりや似ている部分はあるか？ 　-Z世代は色々と多面的な要素をもっていると考えており、一部トライブ的な価値観として現れていると考えている。色々な面がある中での一部の要素としてトライブが存在していて、その上でアプローチをしていく部分でかぶりがある ・トライブという概念はスパイスボックスがつけたカテゴリーネームでしょうか？それともSNSマーケティングでは一般的な概念でしょうか？ 　-他社でもトライブを活用しているが実際にSNS上の行動として捉える中で価値観・嗜好性をベースとしたグループを見たときにトライブがある種適切かと思う ・他の世代とのInstagramの利用方法の違いは？ 　-ミレニアム世代やもう少し上の世代になるとInstagram上でそれがメインのコミュニケーションツールであったり知ってもらうためのツールとして活用していることがメインであるところが特徴である ・トライブを狙うことで他のトライブへの情報拡散がしやすくなるなどの傾向はあるか？ 　-トライブを横断して広くメッセージングを行なっていくケースもある。一方でトライブのインサイトをより深くついていくことで、狭く密にコミュニケーションをしていく