本セミナーの紹介、講師紹介

【講師紹介】 ・スピーカー1：株式会社スパイスボックス / 小谷哲也 ・スピーカー2：Social Data Labo / 田宮 賢太郎

アラフィフ世代のSNS利用実態

【コロナ禍でSNSを利用する時間は増加】 ・コロナ禍でSNS利用者の約30%が利用する時間が増えた。 ・アラフィフ世代の30%がSNSを利用。特にInstagramの伸びがみられる 【SNSの利用の仕方にも大きな変化が出ている】 ・①オピニオン発信 　-個人のSNSが社会性を帯びてきた。おうち時間に関連する投稿も増え、発信するハードルが低くなった ・②即時性情報取得の増加 　-特にTwitter。即時性のあるニュースをマスメディアではなく、SNSでとっている ・③オンラインでの繋がり 　-ClubHouseなど新たなメディアが出て、オンラインで誰かと繋がる ・おうち時間関連のハッシュタグ投稿数の推移が東京都の外出自粛要請を機に増えた 【重要なのは大きく2つ】 ・①「価値観」・「ライフスタイル」を共感しているところから、切り取ってSNSを使う理由を理解する ・②「繋がり」・「情報ニーズ」をしっかりと把握する 【生活者のSNS上での価値観、ライフスタイルは3つのポイントを整理するとわかってくる】 ・①発信傾向：どういう発信をしているのか ・②クラスタ傾向：フォロワーデータなどをみて、どういう繋がりや情報を求めてSNSを利用しているか ・③エンゲージメント傾向：どういう文脈・話題に共感・不満なのか

加速するオンラインでの商品購入

【もう一つの変化。加速するオンラインでの商品購入】 ・デジタルネイティブではない世代の3人に1人がオンライン購入している ・SNSを通じてブランドを選ぶ時代。アラフィフ世代も同様 　-①SNSを通じてブランドを見つけ、買い物をする 　-②サステナビリティに配慮したグリーン商品を積極的に購入 　-③社会的影響を考えた消費行動 ・SNSでモノを買い、シェアする”共感購入”が加速 ・SNSは欲しいモノを探すプラットフォームでもある ・SNSの購買への影響は、無視できない購買に至る心理的要因は、理解が必須

アラフィフ世代のSNSクラスターを解剖：クラスタとは？

【ソーシャルクラスタとは？】 ・SNS上に存在する共通した価値観・嗜好性を持つユーザーをグルーピングしたもの 【マーケティングにおける、よくあるクラスター分析】 ・アンケートの回答ベースのクラスタリング（回答者・回答内容の類似度（距離）によってグループ化） 　-設計次第で、結論が変わってしまう。（質問者が想定していないクラスタは発見しづらい） 　-コミュニケーションに落とし込む前に、施策と接着せず”机上の空論”に終わるリスクもある 【ソーシャルクラスタのメリット】 ・リアルに存在しているSNS上の“つながり”から生活者のカルチャーを把握できる 　-定量データとして扱うことが可能 　-“つながり”から有効なメディアやインフルエンサーを発見するなど、具体施策との接着が可能 【一般的なユーザー把握手法との特徴比較】 ・メリット 　-リアルで定量的な実態把握と、具体施策との接着が強み ・デメリット 　-SNS上で顕在化していない課題等は、把握することができない 　-SNS利用者に調査対象が限定される。 ・40〜50代へのSNS普及に伴い、より汎用的なターゲット把握手法に

アラフィフ世代のSNSクラスターを解剖：実際のデータをもとに分析

【アラフィフInstagramユーザーの実際のSNS投稿データをもとにソーシャルクラスタを分析】 ・分析手法のイメージ（1000サンプル） 　-アラフィフInstagramユーザーのフォロー傾向をマップ化して、どんなアカウントをフォローしているのか　繋がりに着目してクラスタ化をまとめた（出現クラスタ） ・マップをネットワークが集中しているところを区切ってボリュームとともに紹介 　-①セレブ系ミセス アンチエイジング関心クラスタ 4.2％ 　-②ヘアメイクアーティスト・美容雑誌関心クラスタ 6.5％ 　-③ボディメイク・フィットネス・骨盤矯正関心クラスタ 4.2％ 　-④ヨガ・オーガニック・スピリチュアル関心クラスタ 8.5％ 　-⑤上質な暮らし・ライフスタイル関心クラスタ 16.1％ 　-⑥大人シンプルコーデ関心クラスタ 7.0％ 　-⑦女性起業家・SNSフリーランサー関心クラスタ 12.7％ 　-⑧美st系 美魔女モデル関心クラスタ 3.3％

アラフィフ世代に支持されるインフルエンサーとは

【ターゲットに指示されているインフルエンサーの発見手法】 ・各クラスタに分類されたユーザーが”実際にフォローしているインフルエンサー”を発見する 　-各トライブのユーザーと”実際に繋がっている”影響力の高いヒト・メディアが発見可能 　-メディアプランニング/キャスティング等　具体的に、シームレスな活用が可能 【インフルエンサーマーケティングの課題感】 ・“フォロワー単価”で、費用が設定されるため、”自社の顧客にリーチできるヒト”をキャスティングできるか？ 　-ターゲットクラスタが、実際にフォローしているヒトを起用することで、リーチ効率の最大化が狙える 【実際にフォローされている特徴的なオピニオンリーダー例（上記クラスタごとに記述）】 ・①ファッションモデル ・②ヘアメイクアーティスト、メイクアップアーティスト、美容家 ・③フィットネストレーナー ・④インストラクター、環境情報寄りインフルエンサー ・⑤インテリアや料理などを配信されている方、モデル、層が暑い ・⑥モデル、ブランドディレクター ・⑦女SNSマーケター、Instagram講師、インフルエンサーになりたい方がフォロワーにいる方 ・⑧美魔女系モデル 　-アラフィフ世代においても、クラスタごとに最適なインフルエンサーを活用することが費用対効果アップにつながる

インフルエンサー施策のトライアル方法と効果検証

【インフルエンサー施策をトライアルする際に重要なポイント：①ターゲットクラスタを絞り込む】 ・ターゲットクラスタ選定時の視点 　-①クラスタの市場規模（ボリューム）は？ 　-②クラスタ内の競合のシェアは？ 　-③クラスタと商品・ブランドの親和性は？ 　-④クラスタ内に有力なインフルエンサーは存在するか？ ・ターゲットクラスタを絞り込むメリット 　-クラスタを絞ると、インフルエンサーマーケティングにおいて効果的な”重複リサーチ”が生まれやすい構造に ・重複リーチ効果の検証　※40代女性ターゲットの健康食品の実績 　-認知は重複1回からでも伸張しているのに対し、購入意向は重複10回程度から伸張した　 　 【インフルエンサー施策をトライアルする際に重要なポイント：②しっかりと効果検証をする】 ・効果検証の課題：SNS広告などと比べて効果計測が難しく、「過大・過小評価」されてしまうことが多い 【よくある「過大」「過小」評価】 ・リーチ数、ENG数（率）など、プラットフォーム側で計測可能な指標だけで施策を評価する場合 　-プラットフォーム上の指標だけではビジネス貢献の判断が困難 ・一般的なデジタルADと同様に、サイト誘導数や、コンバージョン数（率）により施策を評価する場合　　 　-ROASの観点だと施策は失敗という評価に陥りやすい ・ユーザーがフォローしているヒト経由で、態度変容に寄与するリーチの創出が、施策の真価 　-直接のサイト誘導・コンバーションは生まれにくい構造　 　-態度変容による中長期的な顧客育成も含めた施策の評価を推奨

インフルエンサー施策のトライアル方法と効果検証：具体的な手法

【具体的にはどうするのか】 ・手法：パネル調査ベースで、インフルエンサーのフォロワーが実際に態度変容したかどうかを検証していく ・調査事例：認知、印象（好意形成）、利用意向から施策を検証 【その他 各種分析】 ・PDCAに活用可能な示唆をえるための集計例 　-①インフルエンサーカテゴリ別集計 　-②インフルエンサー別集計 　-③重複リーチ効果分析 ・インフルエンサー実績・効果検証事例 　-ブランドへの好意・理解・利用意向・実際の利用経験が大きくシフト

まとめ

【まとめ】 ・①SNSの普及・コロナ禍の影響もあり、アラフィフ世代へアプローチする場合にも、SNS（インフルエンサー）活用は重要な施策の1つに ・②アラフィフ世代のSNS利用実態に基づき「ソーシャルクラスタ」を可視化することで、解像度を高くターゲットを捉えることができる ・③「ソーシャルクラスタ」ごとに有効なインフルエンサーが存在しており、データに基づいたインフルエンサーの発見・活用が可能 ・④インフルエンサー施策のトライアル時には、クラスタの選定と、効果検証の設計をしっかりとすることが重要になる

質疑応答

・①若年層とのトライブとの違いはなんでしょうか？アラフィフ世代ならではの視点はありますか？ 　-若年層と比べると、SNS浸透率というのが、限られた人たちだけになっていて、特に男性のクラスタがない 　-若年層の方がクラスタのバリエーションが多い　 　-アラフィフ世代で使っている方はアクティブなので、ポジティブにSNSを利用されている方が多い印象 ・②体動変容リスト調査の具体的なやり方やツールを教えてください 　-普通の調査パネルを使用して、WEBアンケートなどで実施作成させていただくことが多い 　-基本的にはインフルエンサーさんと接点があるかを切り分けて、ある集団とない集団を分けて比較するとか、試作の前後比較をするということが王道な方法 ・③シニア層のSNSの利用傾向や利用している人はいるのか？ 　-60代に関しては、特にInstagramにおいては一般ユーザーは多くない印象。一部のクラスタはいらっしゃる ・④扱う商材が食品であれば、「上質な暮らし・ライフスタイルクラスタ」の方の投稿を分析して、そこにそわせた投稿をすることで刺さりやすくなるという認識でしょうか？ 　-商品をインフルエンサーさんから発信していただく時には、クラスタ内における世界観・ライフスタイルに自然にある商材という形で、投稿するのが一番効果が高まると思いますので、おっしゃる通りの認識と思います ・⑤アラフィフ世代の方もInstagramのリールやショップ機能を閲覧する頻度は高くなっていますか？ 　-Instagramは今、リールが投稿のインプレッションが伸びやすい傾向がある 　-特にフィード投稿の中でも、リールをうまく使った方が、インプレッションが伸びやすい傾向がある 　-特定の世代でどのくらい利用されているかというデータは明確にはないですが、おそらく利用されている 　-ショップ機能に関しては、シニア層になるにつれて、購入経験は少なくなっている傾向があるがオンラインの購入経験が増えているので、SNSでも増えていくと思われる