1,オープニング

【自己紹介】 ・伊藤 麻里 　-大手人材会社にて、中小から大手企業まで幅広い業界のクライアントを担当。現在は、株式会社アカリクにて新規企業への提案から企業の運用フォロー・採用成功までのトータルサポートを行う 　-業種業界問わず、年間100社以上の採用をサポートし、理系学生採用・大学院生採用を成功に導く 【会社概要】 ・株式会社アカリクの主なサービス 　-スカウトで一本釣り 　-イベントで接点構築 　-ピンポイントで採用

2,理系学生の就活動向

【優秀な理系学生≒理系院生？】 ・理系大学院生の就職活動実施率（22年新卒）：7月時点で約9割 【21～23卒の登録データから見る理系学生の動き出し時期】 ・理系院生の動きだし推移（21卒） 　-夏インターン時期5～6月が活発、7～9月の夏インターン時期に鈍化、その後、年末からの本選考情報収集時期に再び動き出す ・理系院生の動きだし推移（21・22卒比較） 　-夏インターン時期7～9月に22卒は活発に動き、年明け以降が沈静化している ・理系院生の動きだし推移（21～23卒比較） 　-例年以上に早い時期の登録が進んでいる 【専攻別の学生の動き出し＆採用への影響】 ・情報・通信系 　-企業：オンラインの受け入れが早かった 　-学生：夏インターン参加への影響はなかった ・機械系 　-企業：オンラインの受け入れが遅かった 　-学生：夏インターン時期も活発に情報収集 【理系学生の就活動向】 ・内定出しの時期は年々早期化の傾向、就活の修了時期も徐々に早まっている ・情報収集の早期化（インターン・エントリーともに）、専攻による偏りが大きい

3,理系採用の最新トレンド

【研究室推薦の学生の利用状況】 ・約8割の理系学生は推薦応募を利用していない ・学生の意識として9割近くの理系学生が推薦応募の必要性を感じていない 【研究室推薦での企業の採用状況】 ・研究室推薦を採用活動に利用している企業は2割以下と少数 【インターンシップ参加率】 ・22卒理系院生：研究が忙しい理系院生も、6割以上の学生がインターンへ参加 ・23卒理系院生：約7割の学生がインターンシップに参加している 【1人当たりのインターン参加社数】 ・インターンシップに参加した学生のうち、1社のみの参加は2割以下と、複数社のインターンに参加する傾向。4～6社が29.1％であり4人に1人という結果に 【インターンシップと内定承諾】 ・インターン先を就職先に選ぶ理系学生は全体の約3割程度 【理系学生に効果的な採用広報】 ・スカウト、イベント、友人・知人から紹介が主要な認知経路 【理系採用の最新トレンド】 ・学生自身での早期化早期化からの情報収集が主流に ・研究とインターンを両立する学生も多い

4,23卒採用の企業動向

【23年新卒採用の開始時期】 ・昨年よりも前倒しで採用を開始する企業が半数近い 【23卒採用で既に行った施策（8月中旬時点）】 ・採用開始前の企業は1/3以下と少数 ・イベント出展、説明会開催なども早期から行われている ・8月時点で面接や自社説明会を実施している企業も多い 【企業ニーズの変化（22卒）】 ・母集団の拡大→採用重点層への訴求 【採用ターゲット層への訴求が課題に】 ・母集団形成に苦戦している層がある企業が多数→約7割 ・「採用重点層への訴求」が、最も重要なテーマとなる原因に ・特に機電情の学生の獲得が困難 　-情報系の学生を求める企業は様々な業界で急増。機電系の採用難も継続している 【特定層へのアプローチを増やす企業が増加】 ・特化型のサービスを利用している・した企業が半数と採用マーケティングの新たな流れが出てきている 【23卒採用の企業動向】 ・学生の動きに合わせ、企業の前倒しも進行 ・特化型サービスという採用マーケティングの流れが出来つつある

5,理系学生データから考える23卒採用で意識すべき点

【4つの項目】 ・①採用広報（秋以降の学生に向けた打ち出し方） ・②アプローチ方法（効果的なスカウトなど） ・③選考フロー（説明会・座談会・面接で注意すべき点】 ・④内定出し、内定者フォロー（辞退を防ぐために意識すべき点）

6,採用広報（秋以降の学生に向けた打ち出し方）

【本エントリーのピークは10月～3月】 ・10月頃から就活の軸が定まり始め、本エントリーも増加していく ・軸が決まり始める1～2か月前には採用広報を開始する必要がある 【インターンシップの認知経路】 ・ナビサイトや企業サイトからインターンシップの開催を知る学生が大半 【学生の専門性を活かせる訴求が必要】 ・理系学生は専門やスキルを活かせることを重視するため、それらを活かせることが伝わる採用広報を行うことが重要 【専門性＝研究内容ではない】 ・研究内容をそのまま活かしたいと考えている学生はごく少数 ・研究で得た経験、知識、スキルを活かせると伝えることが大切 ・9割以上の理系学生が専門性や研究で得たスキルを活かしたいと回答 【事業内容以外で学生が重視していること】 ・「自己成長できる環境」を求める学生が多数 ・研修制度、働き方、同じ専攻の社員の採用実績などのPRも重要

7,アプローチ方法（効果的なスカウトなど）

【過半数の学生が本エントリー数10社以下】 ・エントリー数の増加傾向が見られた22卒でも、理系学生の1人当たりの本エントリー数は依然として少ない水準 ・本エントリー数 　-5社以下：3割、10エントリー以下：半数 【応募ハードルがボトルネックだった企業の例】 ・パターン①返信率0％ 　-エントリー方法が複雑 　-プロフィールへの言及が薄い ・パターン②返信率33％ 　-エントリー方法がシンプル 　-プロフィールへの言及が濃い 　-カジュアルな文体 ・100通以上のスカウトを送ってもエントリー数0→改善後はエントリー率約20％に向上 　-企業紹介は学生の注意を引いた後に記載 　-先輩社員の出身を書くだけでも学生の専門性への言及につながる 　-実際のエピソードや社員からのメッセージは学生に響きやすい

8,選考フロー

【フェーズごとのオンライン希望度】 ・1次～3次面接まではオンライ希望者が多数 ・最終面接は対面を希望する学生の方が多い 【説明会・座談会について】 ・座談会の進行や流れがその後の志望度に大きく影響するとの声が多数 ・接点を持った社員の印象や話したい内容を話す時間があったかどうかも志望度への影響が大きかった

9,内定出し、内定者フォロー

【最終面接後のアプローチ方法が重要】 ・テンプレート的な対応は学生の志望度を大きく下げてしまう ・内定後の現場社員とのカジュアル面接、現場社員からの1対1での業務紹介、社員からの寄せ書きメッセージ、他の内定者との交流などが特に効果的 【内定承諾前はオファー面談の実施率が高い】 ・内定時に志望度を上げるための取り組みは欠かせない ・オンライン主体の選考の場合、内定後にオフラインでカジュアルに接触することも効果的 【内定アプローチはイベントが主流】 ・内定者イベントの実施が最も多い内定者フォロー施策 ・SNSなどを利用した内定者コミュニティの満足度が特に高い

10,まとめ

【23卒の理系採用戦略】 ・①本採用の情報収集のピークは年内の9月〜12月。その期間に効果的な施策を集中して行うことが大切 ・②インターンを経験した学生は企業との接点を既に複数持っている。専門性への言及や働き方、自己成長できる環境など、訴求力を高めた採用広報が欠かせない ・③採用重点層の獲得に苦戦する企業が増え、内定辞退率も高まっている。応募しやすい見せ方と、離脱の少ない採用フロー設計も欠かせない

11,アカリクのご紹介・質疑応答

【日本で唯一の「理系院生特化の採用サービス」】 ・15年間、大学院生・研究者をサポート 　-大学院生のための採用サイト 　-大学院生向け採用イベント 　-大学院生専門の人材紹介 　-論文作成ツールの提供 　-学生スタートアップの支援 　-研究室向けマガジンの発行 【質疑応答】 ・早期化が進む中で本エントリー開始の3月というのも変化が起きているのか？そこに向けての動きも変わっているのか？ 　-本エントリーが3月というのを変えるのが難しければ、広報の時期を少し早めて認知してもらう動きに変化をつけている傾向が多い ・内定者コミュニティには社員も入るのか？それとも内定者のみで作るのか？ 　-分けているケースが多い ・インターンからそのまま採用、本選考を通さないケースも多いか？その場合、内定はいつ出すのか？ 　-現状そこまで多くない。インターンから早期選考などにのせてから内定を出すケースは多い